はりかも先生の集大成であり、ひとつの到達点であり、しかしまだ作られている途中でもある世界。はりかも先生がこれまで描かれてきた美麗イラストと、つながっていくはりかもワールドをたっぷりと堪能できる素晴らしい一冊…!

 まずは帯に書かれた恐るべき一文をちょっと引用させてもらいましょう。

作家はりかもの"源泉"と"現在"に触れるビジュアルの大萌芽!
唯一無二、空想の森から放つ色彩のフィトンチッド!

- はりかも『はりかも画集 girls on the tree』(芳文社, 2017) 帯より -

 これがすごいですね! こんなに的確で味わい深い帯文は初めてみました。何ですかフィトンチッドって…と思って調べると、植物が発する物質で、人間に様々な癒しを与える効果もあるという。そう言われると、はりかも先生が描きだす空想の森で森林浴をしているようなイメージが浮かんでくるような、そんな気がしません?

 本書は「うらら迷路帖」「夜森の国のソラニ」「オリジナル」の全3章に分かれています。収録されているのは雑誌の表紙や、連載各回の扉絵、単行本の購入特典などのイラストに加え、ツイッターに投稿された告知イラスト、以前pixivやブログに投稿されていたオリジナルイラストなんかもあります。各章の頭にははりかも先生のコメント、各イラストにも(全部ではないですが)コメントが付いていて、これがとても嬉しい。

 まずざっと絵だけを眺めていってから、次にコメントをじっくりと読みました。作品単位でコメントが付いているっていうのがすごいですね。コメントは、イラストに対する作者直々の解説でもあるし、もっと気軽に、はりかも先生の好みやら思い出語りみたいなものでもあると思う。覗いていると、先生の可愛い一面が見られたり、読者として大いに共感できるところがあったり、初めて知ることがあったり…とっても楽しかったです。

 以下、各章につき、よかったと思うところ、見た感想など。

*うらら迷路帖*

 うらら迷路帖のイラストは、一言でいうと可愛さが存分に出てますね。ミラクの表紙を飾ったイラストがどれも素晴らしい。あとそう、露出度も高い。ほとんどの絵は見たことがあったけど、マチアソビの冊子のイラストとか、見たことがないものもあって嬉しかったです。

 一番嬉しかったのは、毎月きららミラクの発売時にツイッターに投稿されている告知イラストが載っていたこと…! しっかりと描かれたものからラフに描かれたものまで、こうしてまとめて見ると壮観だし、あぁこれだけ積み重ねてきたんだなぁって思うと感慨深い。どれもこれもリアルタイムで見ているので、懐かしいですね。

 連載初期の絵はまだちょっと慣れていないというか、今ほどの可愛さがなくてちょっと新鮮でだった。作者コメントにあった「恐る恐る」という言葉がしっくりくる。それと比べて今のはりかも先生の絵は本当にものすごく可愛くて眩しい。34-35ページの3巻販促イラストの千矢がめっちゃ好きで、そのちょっと先38ページの千矢の笑顔もほんと素敵で……そうそうこの大きさでイラストが眺められるっていうのも、非常に嬉しい。きららより一回り大きいA4サイズ。

 ミラク公式サイトの「今月のMiracle!」ではりかも先生が担当された回の4コマも載っていました。全部PC上で保存していたつもりが、最初の1回を忘れていたことが分かってちょっと悔しかった……。

*夜森の国のソラニ*

 夜森の国のソラニも最初から読んでますが、はりかも先生の漫画を大大大好きになったのは割と後のほうだったので、1巻2巻の単行本購入特典は知らないのが多くて……全部載ってるのが有難い! リーフレットの夜森高校とか3巻より前にもあったんだとか初めて知りました。

 今は無くなってしまったミラク初期の見開きカラー扉絵とか、懐かしい。ツイッターでの告知イラストは全部見たことあるかな…どうだろう。夜森の国のソラニの連載終了後に描かれたイラストもあって、連載時のイラストと横に並べると、絵柄がやっぱり変わったなぁというのが如実に伝わってきますね。あの頃のはりかも先生の絵も好き。今とどっちが好きかと言われても比べられないなぁ。

 こちらもやっぱり一番嬉しいのはツイッターの告知絵やらくがきでしょうかね。こんな風にまとめてみることまずないし、単行本などと違って何度も見返すこともあまりないし。こうやって画集に載っていたら、好きなときに見られるし、見返しやすい。今連載中なのはうらら迷路帖のほうだけど、夜森の国のソラニのことも、ときどきは思い出したい。

*オリジナル*

 オリジナルの章はこの画集全体で考えても一番の収穫、最大の有難み、本当に載せてくれて感謝です。ミラクで連載するより前の絵から、割と最近のツイッターでのらくがきまで、前のふたつに比べるとこちらはずいぶんバリエーションに富んでいて、いろんな絵があって楽しいですね。お寿司の擬人化も載ってる!!

 昔の絵にも、今の絵と変わらず使われているモチーフがある。絵柄は変わっていっても、はりかも先生の中で変わらない好きなものがあって、それが絵に表れているのが良いなぁと。コメントで書かれている木や森や異形の生き物などはもちろん、ボーダー(orストライプ)柄やニーハイ、千矢の服みたいに腕や足に巻き付けるのも昔からよく描かれている気がする。

 根本的なところでは変わらない、というのがいい。『はりかも画集 girls on the tree』と題してまとめられたこの画集……思いのほか、全体を通してこれぞはりかも先生という「らしさ」を感じ取ることができて楽しかった! こうしている間にもはりかも先生の連載は続いているし、画集に載っていない新たなイラストが生み出され続けているわけで。続いた果てに2冊目が出たら嬉しいですね。

***

 以上、『はりかも画集 girls on the tree』の感想でした。読んですぐツイートした感想を一応貼っておきます。

 この感想記事書くために、結果的にまた読み返してしまって、やっぱり、言葉を失う良さがありました。これは何度読んでも飽きなそう。良い本だわ…




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