一言でまとめると、終わってしまって寂しい。



 さて、何から書こうか…。

 第12話「case24 Fall of the Wall」を見終えて、最初は何か物足りなく思った。「あ、終わってしまった」と…。物足りないと感じたのは、悪い意味で予想を裏切られたからだろうと思う。なんとなくノルマンディー公がラスボスみたいに思ってたけど、そうはならなかった。それがこの消化不良気味な感覚の原因かなぁ。「収穫があった」ってどういうこと?

 さすがに最終回までくると、びっくりするような情報はもう出てこない。次につなげるための話じゃなく、すべてを終わらせるための話。だからこそ、思いっきりスパイアクションを楽しめたのが良かった。拳銃での撃ち合い、Cボールを使ったアクション、言葉での駆け引き、これまでにも各話で見せられてきたこの作品の魅力がいっぱい詰まった最終回だった。面白かった!!

 最後まで見て、もう1回最初から見直したくなった。あーまだ自分の理解が及んでいないところがあるなぁと思った。プリンセスが言った、アンジェの見えない心の壁のこと。それを聞いたら、それを聞いた上で今までの話を全部見直さなくちゃならない気がして、この作品は本当に奥が深いなと。あるいは、自分が上辺だけ見て何かすごいものを見た気になっているのか。最終回まで見たけれど、まだまだ楽しめそうな気分。楽しむ時間があるかどうかはさておき。

 あとは12話で良いなと思ったところ、気になったところを語っておしまいにする。

***

 本物のプリンセス。ゼルダはやっぱり気づいてたのね。

 アンジェへのメッセージ。My turtle dove, Run and live as Ange!と書いてあるように見える。アンジェに逃げろと言っているわけで、前回はひどいことを言ったけどあれはアンジェを自分のワガママに巻き込まないための嘘だったと…! そんなことしてもアンジェを止められないって、分かってるのに、それでも嘘をついて遠ざけて、あんなメッセージを残して…バカなんだから。あのときプリンセスが流した涙を今見たら自分も泣いてしまいそう。

 アンジェのことを待ってくれていたドロシーとベアト。「早くしないと姫様が~」って言いながらその場でくるくる回るベアトが可愛かった! ベアトは最後まで癒しだったなぁ。

 第11話でアンジェを先に行かせ、ドロシーが車の整備をしている間に誰かが来たけど、あの後からこっそり別の作戦が進行中だったんだろうか。アンジェはプリンセス暗殺の指令を受けたふりをして、プリンセスを助けるために行動してたけど、もし最初からプリンセスを殺したくない…助けたいという本心を出していたら、即チームから外されることになって、逆にプリンセス救出に全力を出せたのかな。

 ジェリコのラッパ。気になったので調べてみた。ジェリコのラッパとは、第二次世界大戦で使われたドイツの急降下爆撃機Ju87が生み出す風切音のことで、ラッパを吹くとジェリコの街の城壁が崩れたという旧約聖書の話に由来しているらしい。ロンドンの壁を崩すことと掛けて、その作戦がすでに始まっているという意味で「ジェリコのラッパはすでに鳴ったのだ」とゼルダは言ったんだろう。

 壁の通路でカーチェイス&銃撃戦。アンジェがベアトの頭を抑えたりして守ってるのが良かった。しかし相変わらずベアトは車に乗るとうるさいw

 プリンセスを助けに行くアンジェと、ちせの「私も連れて行け」。連れて行く先にはプリンセスがいる。思い返せば今までの任務でも、ちせが連れて行ってほしいのに連れて行ってくれなかったとき、連れて行ってほしくて連れて行ってくれたとき、どちらでも行く先にはプリンセスがいた。プリンセスを守るために、アンジェがちせの腕をとても信頼しているということが伝わってくる。

 この国を変えると誓った昔のことを語るプリンセス。12話で2番目の名シーン。アンジェとプリンセスの過去について、11話で言ったことは嘘だとしたら、こっちが本当の本心。アンジェがプリンセスの人生をめちゃくちゃにしたんじゃなく、プリンセスがアンジェの未来を奪ってしまった。アンジェが思い描いた「壁を無くしたい」という夢を、プリンセスは自分が代わりに叶えると誓った。それを本人の前で言わずに、あんな別れ方をして、そしてまた一緒になるのが運命的で、なんとももどかしくて、二人のことがすごく尊く思えてくる。

 助けに来たアンジェとゼルダとの撃ち合い。Cボールを使ってさらっとゼルダの初撃をかわすアンジェがめっちゃカッコよかった!! そして11話でも言ったけど、プリンセスの顔でこの身のこなし、というのがさらにカッコいい。だからプリンセスの怪我を見て、そんな悲しそうな顔をしないで、ね?

 「私、もう一度誓うわ。あなたの心の壁も壊して、みんなの前で笑える日が来るまで、絶対に離れない」ここのプリンセスの言い方が、とても優しくて、気持ちが込められていて、とにかく良かった…。12話で最高の名シーン。このシーンの良さを表す言葉が欲しい。「尊い」しか出てこない。プリンセスの声がやっぱり好きだなぁと思うし、自分が好きだなぁと思うプリンセスの声の良さがこのシーンに集約されている。良い締め方だった…。




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