時間がゆっくりと流れていてとても良い案配。
ゆったりと流れる時間
第一話よりももっと色濃く、この作品の特色が出ているなぁと思った。皐と柚のふれあい、花時という存在、柚の繊細な心の機微、随所に出てきたデフォルメキャラとコミカルなやりとり。それらが何かとても"ふんわりとしたもの"に包まれているような、全体の雰囲気、時間の流れ方も落ち着いていて心地良い。
きっと、自分がもし原作を読んでいなかったとしても、この第二話で完全に心を鷲掴みにされて離れられなくなっただろうなと思う。
皐から見た柚
皐は、第一話では怒ってばっかりだった気がする。第二話でもやっぱり怒ってたけど、柚に対してまた別の顔も見せるようになった。皐が柚のことをどう見ているのか、それがぼんやりと伝わってくるのが良かった。
桐に対しては言いたいこと言えるのに、柚に対しては素直になれない皐を見ていると、まるで恋してるみたいだなと。第一話ではただの仕事上のパートナー。第二話では異性として意識し始めた(同性だけど)みたいな。
柚のように素直な気持ちを口に出したりはしないけど、皐も柚と出会えて良かったと思ってるんじゃないかなぁと思う。柚にかなり心を揺さぶられている。そんな皐が可愛くもある。自分はどちらかというと、花時の妹に対して「ぶん殴りてぇ」とか言ってる皐のほうが好きだけど、自分の姉のことを話すときの優しい表情と口調も良いなと思った。
柚から見た皐
温泉で、皐がお出かけに誘ってくれたとき。顔をぱぁっと輝かせて、しっぽをばたばた振って、喜びを全身で表す柚が可愛かった…! 此花亭へ来る途中に見た、町の風景。此花亭に来てすっぱだかにされて綺麗にされて、桐に連れられて見た高いところからの町の風景。それを近くで見られるということが嬉しかったのだろうし、皐が案内してくれるというのがまた嬉しかったんだろうなぁって。
第二話を見てると強く感じたのは、柚がとても繊細で純粋な心の持ち主だなということ。温泉での喜び方や、怒っているのに自分を心配してくれる皐の優しさに触れたとき。そしてそんな優しくて不器用な皐が自ら秘密を話してくれたことに対して、自然と涙があふれだしたとき……。えっ、そんなことで泣くの!?と思ってしまうけど、柚にはそれは「そんなこと」ではなくとても幸せなことだった。そういう風に感じられる柚の純真さが素敵だなと思った。
花時の姉妹
花時の存在が良い。南からゆっくり北へ進んでいく春の旅路。神社の大桜が咲かなかったのは、桜を咲かせる花時の姉妹が離れ離れになって、仕事ができないでいたからだと。そういう考えがとても素敵…! 自分は桜を見てそんな風に考えることは絶対ない…。でも漫画とか、アニメの中ではそういう世界が見たい。
この世界では、花時という存在が、柚や皐にも見える。触れられる。でももしそれが見えない世界だったら、柚はなかなか咲かない桜を見て、花時の姉妹が迷子になってるのかなって考えたりしそう。
花時の姉が好き。声が良いし、フラフラ歩いていってバタッと倒れる辺りとか、見ててすごく和んだ。ほっとけない感じが、上手く出てたなぁ。その上で面白かった。
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コメント
コメント一覧 (4)
言われてみれば確かに純粋さがにじみ出てくる表現だったんだろうな、と。
寺から奉公に出されて他人の心に触れる経験をしているのかなぁ的な事を思わされたのでした。
あそこで泣くのは、やっぱりそう思いますよね。
だからこそ、すごく印象的でもあったというか。
きっと、この町や此花亭でいろいろな人と触れ合うことも、1話で比丘尼様が言っていた「学び」に入ってるのだと思います~。
創作ならではの描き方ですよね。擬人化された動物たちなどは出ていましたが、こうしたものも人の形で出せるのは本作の世界の懐の広さだと思います。
草木の姿からの物語の見出し方がとても素敵で唸らされた回でした。ゲンコツのタンコブも微笑ましいw
確かにそうですね! この作品の懐の広さ、世界観からして花時のような存在がいても不思議ではない、っていうところが良いです。柚や皐たちと絡んで進行する物語も、本当に楽しげで最高でした。
考えてみれば、ゲンコツのタンコブも創作ならではの微笑ましさがありますねw