柚の涙と、似た者姉妹。


柚の失敗

 第十話の柚は、皐の前で二度も涙を流す。第二話でも柚は皐に対して泣いていた。そのときは、厳格な皐が心を開いてくれたことに対して泣いていたけれど、今回泣いた原因は柚本人にある。皐が茶菓子と間違って薬を飲んでしまったのは、柚の説明が足りなかったから。かぐや姫の前で姉と一緒に舞うことも、柚は皐のためを思って「舞ってください」と言ったつもりだったけれど、あとで考えが足りなかったと気づいた。

 柚は自分の責任を感じて泣いていた。お客様が山道から来たと分かるとその場の判断で足湯を用意したりとか、柚は相手のことをしっかりと見て、気遣うことのできる優しい子。きっとそれは自分が仲居で相手がお客様だからという訳ではなくて、仲居どうしでも同じこと。皐に対してちょっと言葉が足りなかった、そのせいで皐をあんな状態にしてしまったのが、柚には辛かったんだろうなと思った。その相手が憧れの先輩であることや、予備の薬がなくすぐには戻れそうにない不安も手伝って、自然と涙が出てきたんだろうなと。

 あとは第二話の感想でも書いたのと同じことを思った。「え、そんなことで?」と。薬がないと言っても"今は"の話で、直に戻れるだろうし、皐は「私の不注意だ」「私の意志で(略」と言ってくれた。だからそんなに泣くことないんだよ、と言ってあげたかった。柚は良い子だけど、感情の波が高ぶってときどきこんな風に泣いてしまうのは、その優しさが逆に柚を苦しめているように感じてしまう。皐は、自分の責任を感じても涙は見せない。そんな風になれとは言わないけど、もうちょっと楽にしてもいいんじゃないかなーなんて思ったりする。でも、たとえそこが変わらなくても、皐が隣にいて柚の涙を受け止めてくれたら、それでも良い、か。


姉と妹

 前にも少し話が出てきたとおり(そういえばそれも第2話の話だった)、皐は巫女になりたくて、でも巫女に選ばれたのは姉のほうで、皐は代わりに此花亭に奉公に出されたと。皐は柊と一緒に踊ることで、姉との差を一層強く感じてしまう。あの人には敵わない、と。でも実際は姉の柊にもできないこと、不向きなことがあり、此花亭で仲居の仕事を上手くやっている皐を「敵わない」と思っている。この片想いだと思ったら両想いだったような(何か違うか)構図が面白い!

 かぐや姫に懐かれて相手をしてやってたけど、あれは皐にはできなそう。一方で、蓮にちょっかいを出そうとしたり、お風呂に飛び込もうとしたりする危なっかしいところを見ていると、柊は絶対仲居には向いてないな!と思う。お互いに出来ること、出来ないことがある。そう考えると、仲居の仕事も立派にこなしていて、巫女になっても上手くやれるであろう皐のほうが、姉よりよっぽどすごいような気もする。

 親が話し合っている回想シーン見ても、柊は「あの子は九九も出来ないのに此花亭に奉公に出すなんて」みたいなことを言われて、とても悔しそうで。姉と妹、双方から見た過去を掘り下げられると、どっちが立派とかじゃなく二人とも(多少種類は違うけど)優秀で、この姉にしてこの妹ありって感じ。でもお互いの本心をお互いにしらなくて、相手のいないところでお互いに羨んでるような関係が好き。いろいろな意味で、似たもの姉妹。


柚らしさ

 柊皐姉妹が舞いを披露したとき…柚が真剣な顔つきで見ているところが、なんか柚らしくないよなって。本当に素敵だと思ったのなら、いつもの柚なら、かぐや姫や御付のうさぎたちと同じように、もっとぱっと明るい表情を見せて喜んだんじゃないのかなーと。だから皐を追いかけていった先で皐のことを褒めたのも、本心というよりは何を言っていいか分からずとりあえず出てきた言葉のような、あれもいつもの柚らしからぬ失敗だったのでは、と思う。

 それに対して、大泣きしてスッキリしたあとの帰り道で「お化粧をしていると一段と綺麗ですよ」と言ったのは、柚の素直な気持ちが出てきた感があって良かった…! それでこそ、柚。笑顔で恥ずかしいセリフを連発するような、いつもの柚でいてほしい。





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