観てきた! ネタバレ満載なので注意。



ドラマ版とは比べ物にならない試合演出!!

 映画ではいよいよ全国大会が始まる。特に準決勝まで来ると、試合描写がドラマ版より圧倒的に面白い!! 強敵もぞろぞろ出てくるし、ただ麻雀が強いだけでなく特別な能力を持った奴らが出てくるわけで、その能力描写がすごい。

 先鋒戦・東一局を終えたところで、玄ちゃんの後ろから鏡が出てきてびっくりした! 白糸台の照は一局目では和了らないことが多く、その代わり相手を観察しその特徴を見抜く。そこで鏡が出てくるのはもちろん原作を読んでいたから知ってたけど、それでも実写の迫力、床からずううんと大きな鏡が出てくるインパクトはなかなかのもので圧倒された。照の、卓の端っこをガッと掴んで、手が竜巻渦巻いてツモるやつとか、ちょっとやりすぎじゃない?!ってくらいやってくれてて、あれまた観に行きたいなー。

 次鋒戦では菫が放つアーチェリーの矢を宥姉がサッとかわすシーンがあったり、中堅戦・尭深のハーベストタイムの演出もすごい。大将戦・淡の能力で卓そのものが闇に包まれていく演出は見事だった! 新道寺のリザベーション、怜の一巡先を視る能力などなどもしっかりと再現。さすがに、大将戦で竜華のところにデフォルメ怜ちゃんが出てくることはなかったけど、病室の怜と竜華のふとももはちゃんとつながってた。怜なんであと何回とか分かるんや…笑

 阿知賀女子にも玄ちゃんや宥姉の牌の偏りとか、能力者がいないわけではないけど、やはり『阿知賀編』は白糸台が出てきてからが本番だなと、能力者とそうじゃない者が入り乱れるこの混沌とした感じこそが『咲-Saki-』シリーズだな、ということで。映画はドラマ版よりもグッと見ごたえがアップしてて面白かった。


原作ファンとして、少し残念だったところ

 個人的には三尋木咏さんに出てきてほしかったけど、映画では1回戦~準決を通してずっと小鍛冶プロと福与さんのコンビが実況解説を担当してた。これは、仕方ないかなぁ。ドラマ版のオープニング(映画のワンシーンが結構使われている)にも映画の予告にも出てなかったから、たぶん出ないんだろうとは思ってたけども。1回戦・2回戦は準決に比べると描写が少ないし、映画だとさらに短くなるし、実況解説も変わらないほうがスッキリするかな。

 副将戦で哩がリザベーションクリアして、大将戦での倍満・数え役満が確定したとき、淡が「倍満くらいくれてやる」「数えくらいくれてやる」って言うところが好きなんだけど、映画では言ってなかった。大将戦では言ってたけど、副将戦の控室で対局を観ながら余裕の表情で言うほうが好きなんだよなー。うーむ。

 大将戦が終わった後、淡が「100回倒す」って言ってたけど、それは良いんだけど、穏乃のセリフがカットされてるせいで、100なんてアホな数字~のネタがー!あれも好きなんだけどぐぬぬ。あれも入れてほしい、これも入れてほしかったってワガママでしかないけど、それでも、ぐぬぬ…。


準決勝・各対局の感想

 先鋒戦(松実玄・園城寺怜・花田煌・宮永照)は結構しっかりと描かれていた記憶。照魔鏡でまずびっくりしたのはさっきも書いたけど、やっぱり照の連続和了はすごい。一人圧倒的な強さを見せつけて、前半戦終了したところで颯爽と去っていくところカッコよかったなぁ…。

 すばら先輩の小気味良い「ポンッ!」が心地良かった。そして、一人じゃない、協力すればチャンピオンを止められると気づく怜。ここから照VS.他3人みたいな構図になっていく。怜が無茶をしてどんどん弱々しくなっていくのが痛々しくて、この辺り実写だとまた伝わってくるものが違うなぁと。本当によく頑張った…。試合が終わって倒れる怜。すぐ駆けつけてくるさすがの竜華。竜華といえば、怜がダブル(二巡先を視る)を試して病院に運ばれたとき、竜華がもう二度とやろうと思わんとってって言うところ、感情が込められてて強いなぁと印象に残ってる。

 次鋒戦(松実宥・二条泉・安河内美子・弘世菫)からは、先鋒戦に比べると短くまとめられていた感じ。アーチェリーのごとくターゲットを射抜く菫もなかなかだけど、菫のクセを見抜く赤土先生がすごい…! 指がミリ単位で動いて…そんなもん分かるかい!(笑) そういえばここ、宥姉はメガネかけてたっけ、赤土先生がやばすぎて良く見てなかったな…。

 中堅戦(新子憧・江口セーラ・江崎仁美・渋谷尭深)はなんといってもハーベストタイム。憧はずっとそれを警戒してて、でもセーラは割と考えなしにツッコんでくる。ハーベストタイムを阻止しないといけないのに親で連荘しちゃったり、新道寺の江崎仁美が南を捨てたとき「ふきゅ」って変な声漏らしちゃう憧ちゃんが可愛かった。あとは、試合後のセーラと憧のイチャイチャも良かった……モニター越しだったけど!!

 副将戦(鷺森灼・船久保浩子・白水哩・亦野誠子)では、灼のちょっと古いスタイルとボウリングの残りピンに似せた多面張。赤土さんが10年前に和了れなかった手で、今度は灼が和了るっていう展開が熱い!! 赤土さんのスタイルを灼自信勉強してはいるけど、本人に直接教えてほしいと頼んだ話とか、そこから赤土さんが灼に部長を頼む話につながてくるところとか上手い。

 昔麻雀で一緒に遊んだ和と、全国の舞台でまた遊ぶというのも大事なテーマだけど、和と遊んでいない灼にはもう一つのテーマがある。それが、阿知賀のレジェンド・赤土さんが越えられなかった準決勝の壁を超える、赤土さんを決勝まで連れていくということ。その描写にも、しっかりと力が込められてて良かったなぁ。

 大将戦(高鴨穏乃・清水谷竜華・鶴田姫子・大星淡)は、先鋒戦に次いで見ごたえがあって面白かった。いよいよ頭角を現し始める穏乃のオーラがすごい! 一見よく分からない見逃しからの安和了りが、実は阿知賀女子が確実に決勝に行けるための布石で、淡がトップの阿知賀から跳満(ダブリー&カン裏4)で和了っても白糸台が3位になるよう点数調整されてるという、あの展開は分かってても震える。

 淡は試合前に「私に負けはありえません」と言うくらい自分に自信を持ってるし、白糸台としての誇りもある。そんな淡がだんだんと追い詰められていって、ついにはダブリーすら出来なく堕ちっぷりは見ててゾクゾクしてくる…! そして穏乃。淡や照のような派手な和了り方をするわけじゃないけど、穏乃はまさに山のように、静かにそこに立ちふさがっている。それが恐ろしい。いつもの穏乃にはそんな雰囲気はないけど、この大将戦で出てくる穏乃の本当の強さ。山の主のオーラがカッコよかった。桜田ひよりさんの目力!!


対局以外で好きなシーン・好きなセリフ。

 穏乃の「麻雀しないと眠れない!」。2回戦が終わったあと、ホテルの部屋で赤土さんに辛辣な言葉を浴びせられる。千里山には9万点差を付けられ、阿知賀女子の決勝進出は良く言えば「絶望的」悪く言えば「論外」だと。そこで麻雀がしたくなる穏乃が穏乃らしい。

 熊倉トシさんと赤土さんが話してるのを見て、また連れてっちゃうんじゃないかと勘違いするシーン。ここも好き。赤土さんが自分たちを見捨てて、準決勝の前に監督をやめるつもりなんだと変なことを言う憧、絶対信じない灼、自分のせいだと言う玄を慰めてあげる宥姉、トシさんに真相を聞こうと飛び出していく穏乃…。ここみんなに見せ場があって良いな。


その他・映画を見てる間に抱いた感想

 映画というよりも根本的な話だけど、あれだけ相手を分析している赤土さんなのに、玄ちゃんには何もアドバイスなかったのかなって。照の連続和了、しかも和了るたびに点が高くなる。それを止めるための対策は何かなかったのか…。玄ちゃんがドラを捨てられないのはかなりのハンデ。それを玄ちゃん自身で乗り越えるしかなかったのか…?


帰って原作を読んでから思ったこと

 映画に三尋木咏さん出てこなかったけど、咏さんのセリフを憧ちゃんが喋ってたなと。2回戦の大将戦、穏乃がピンチになったとき、まだ諦めてない穏乃を見て「むしろ何か始まってる」って、憧ちゃん…だったよね?(玄ちゃんだっけ?)※もう1回見てきた。玄ちゃんだった。


舞台挨拶の感想

 T・ジョイ京都での舞台挨拶を観てきた! 出演者は阿知賀女子学院の5人(桜田ひより、伊藤萌々香、恒松祐里、渡邉幸愛、中山莉子、敬称略)で、上映後の舞台挨拶だったため、ネタバレも気にせず興味深い話をたくさん聞くことができた。実のところ舞台挨拶を観に行くのが初めてで、しかも関西は公開初日ではなく2日目だったから、観に行くかどうか迷いもしたけど……本当に行って良かった。以下、手短に印象に残っていることを。

 舞台挨拶の内容は、阿知賀女子キャスト5人でのトーク。新子憧役の伊藤萌々香さんが進行役をやってたのが印象的だった。なんか慣れてる様子で、ひょっとすると東京の舞台挨拶とかでも司会進行をやったりしたのかな? などと考えながら聞いてた。伊藤さんが次々とトークテーマを投げかけて、それに答えながら5人で自由にトークしていく感じ。

 最初は「自分が演じた役のお気に入りのセリフ」を混ぜながら自己紹介する、というテーマ。演じたキャラクターのセリフを言うということで、今映画の中で聴いたばかりのセリフが、もう1回生で聴けたのが良かった! 中山さんがなかなかそのセリフが言えなくて何度も挑戦してたのが可笑しかったのと、あとは渡邉さんが宥姉のセリフを言うときガラッと声の感じが変わったのがすごいと思った。桜田ひよりさんとか、普段でも穏乃とあまり変わらないような感じがするけど、渡邉さんと中山さんは割とギャップがあるなって、それは始終頭の片隅に思ってたな。

 台本の話のとき(だったっけ?自信なし)、伊藤萌々香さんがさらっとアニメの話をしたのにはびっくりした! あとで公式サイトのコメントを見たら、伊藤萌々香さんのコメントに、漫画もアニメも何度も見返したと書いてあって、それがあの場でも自然と出てきたのか…と納得。あのときの伊藤さんは何と言うかただのファンみたいな感じで、自分も「あれ良いよね、これ良かったよねー」と言いながらそこに混ざりたいような気分だった。アニメといえば、エンドロールで"special thanks アニメ「咲阿知賀編製作委員会」"って出てたのに驚いた。咲の世界はちゃんとつながってるんやなーと嬉しかった。

 玄ちゃん役の恒松祐里さん。改めて声を聴くと、綺麗な声してるなと思った。もっと顔もよく見たかったなー。残念なことに席はそんな前のほうじゃなかったし、自分の視力が悪いので(普段の生活には困らないレベルだけど、こういうとき困る)、キャストの皆さんのお顔までは、しっかりとは見えなかったのが残念ではある。その分"声"はしっかりと聴いた…!

 撮影前に1ヶ月間、麻雀の練習をしたと聞いて「ハッ」と思ったり。公式サイトのキャストコメントでも何人か触れてる人がいたけど、どうやら阿知賀だけでなくみんな(?)今回の映画のために麻雀の練習をしたようで。手が震えて牌を落としちゃったこともあったとか、試合中の演技のお話を聞けたのも印象に残ってるなぁ。

 うーんこのくらいにしておくか。語り出すときりがないので、あとは胸にしまっておく。5人のトークは固すぎず柔らかすぎず、和気藹々としてて楽しく聴けたし、作品への愛も伝わってきた。本当に参加して良かった。ありがとうございました。


感想まとめ

 大好きな漫画の実写版ということで。ドラマ~映画まで、思いのほか楽しくてハマってしまった。ドラマ第1局の感想でも書いたように、自分は『阿知賀編』のストーリーが好きで、久々にその世界に浸ることができたのが良かった。やっぱり阿知賀編良いなーと思ったし、実写ならではの発見もあった。

 思った以上に感想が長くなってしまって……本当にもうこのくらいで!これで終わり!できたら、公開中にまた観に行きたい。


※追記:2回目を見た感想※

 浜辺美波さん、やっぱりすごく素敵だなと思った。照というキャラクターを見事に演じてらっしゃる。試合中の怪物然とした姿、笑いも焦りもせずにただ和了り続けるその姿も、控室で試合を観戦する姿も良い。めっちゃカッコいい…。エンドロールで照だけが映ってるところで「浜辺美波」ってクレジットが重なるの、完璧だった。

 準決勝が終わったあと、勝った喜びや負けた悔しさ等々…控室でいろんなやりとりがあるんだけど、1回目に観たときはは姫子がすばら先輩になんて言ったのか上手く聞き取れなかった。どうやら、「花田の頑張りば無にしてごめん」って言ってたみたい? ちゃんとすばら先輩の頑張りを見ててくれたんや、と思ったし、本人は「ふがいない先鋒でした」と言ってたけど、そんなことないって姫子は言いたかったんだろうな、と。

 最初に映画を見て感想を書いた数日後…、衝撃の情報を知った。アニメのほうの『咲-Saki-阿知賀編』にも出演されてた声優の大亀あすかさんが、なんと実写にも出演されていたらしい! 2回戦で戦った越谷女子の宇津木玉子ちゃん役で、確かに出てた。結構存在感あるし…! 最初は全然気づかなかった…というか、まさか声優さんが実写で出てるなんて思いもしなかったな。

 エンディング良かった! 入場者特典のブロマイドみたいな感じの、ラフな写真の数々。赤土先生が阿知賀編の漫画を読んでるっぽいやつとか、安河内のメガネをすばら先輩が掛けてたりとか。もっとよく見たかったな…! 1回目よりはちゃんと見たつもりだけど、あまりにいっぱいありすぎて、帰って思い返すとあんまり思い出せない。

 公開中に同じ作品を2回観に行ったのは今回が初めて。今までは、1回観に行けば十分と思うことが多かったけど、気に入った作品は何回観ても楽しいね。




ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村