『ネコじまにゃんだフル』1巻の各話感想、後編。第7話から第13話までと作品の構造について。本当は6月中に書くつもりだったけど、先延ばしにしすぎて7月に入ってしまった。反省。


第7話 島の眠り姫

 4人目の生徒、ミケの初登場回。第7話いいぞ!ってことはすでに"『ネコじまにゃんだフル』が面白い!"とか"『ネコじまにゃんだフル』のお気に入りシーン10選"の記事でも書いた。それから、これもお気に入り10選の記事で書いたけど、緩衝材に包まれるクロがめっちゃ可愛い。

 ミケの制服を探す前に、こんなやりとりがあった。シロはみんなで制服着て学校に行くのが夢だったと。制服じゃないと嫌だって言っていたらしい(byクロ)。このときのシロの反応が可愛かった…! そして、こういう些細なやりとりから、寧々子が来る前のシロたちが見えてくるのが好き。この作品を第1話から読み始めた読者は、猫島の子たちのことを少しずつ知っていく。でも彼女たちは、前からお互いに付き合いがあったわけで、どんな感じだったのか自分はそれが知りたい、見たい……!


第8話 三者三様

 このお話のサブタイトルが"三者三様"なのが、いまいちピンと来てない。まあそれはそれとして…。この回はシロがめっちゃ可愛かった! 寧々子に対して言った「信頼してるから」という言葉、寧々子に対するそのほかの態度からも、心を開いていることが伝わってくる。

 耳掃除が良かったなぁ。お医者さんは別として、耳掃除を他人に任せるのなんて、よほど気の許せる相手じゃないと無理なんじゃないか。特にシロはそういうこと気にしそうだし、寧々子に耳掃除してもらおうと思ったのはすごい進歩だと思う。

 いつもは月1で来るお医者さん(このあと第10話で出てくる上条律先生)に耳掃除してもらってるらしいけど、寧々子のほうが良いってなったら、いずれ島中の子の耳掃除を寧々子がやることになって待機列ができたりとか…ない?!


第9話 ゲーム対決

 ロンが初登場する回。ロンの家には庭に大きな木があったり、部屋に大きなテレビがあったり、小心者のくせに良いもん持ってんな…と、ロンがテレビを持っていることはみんな知らなかったらしい。ひょっとしてお互いの家に遊びに行ったりとか、あまりしないのかな? とも一瞬考えたけど、クロが前にも庭の木に登って降りられなくなったことがあったらしいし、来たことはあるんだ…。そのときはテレビはまだ仕舞われていたのか、あるいは隠していた…?

 テレビがあって、ゲームもできるし、アニメも見られる。ロンの家ってなんかみんなの良い遊び場になりそうな感じがする。描かれてはいないけど、学校帰りにロンの家によって遊んでいく~みたいな展開がどこかで行われていたりしたら良いなぁと。


第10話 恐怖の健康診断

 定期健康診断。学校でシロ、クロ、スコ、ミケ、ロンと寧々子の6人については健康診断をしたけど、まだ登校していない残り3人の生徒は? こういうのもったいないな~と思うから全員揃ってからまたやってほしい!

 この第10話は最後のオチが大好き。ロンやクロの注射のとき見守る立場だった寧々子が、今度は自分が注射される側になって、みんなに見守られながら「注射やだ」とか言ってるのが可笑しかったし可愛かった。白衣を着た寧々子も見物。

 あとは、スコちゃんの右目の謎か…(これはこのまま封印しておいたほうが?)


第11話 ごめんなさいの秘訣

 う~んこれも大大大好きな話!! 些細なことでケンカしていたシロとラグの話。ラグちゃんは気が強くて、シロも意地っ張りで、寧々子がいなかったら仲直りするのももっと遅くなってたかもわからない。寧々子が来たことでシロも少し変わったと思うし、寧々子がラグちゃんの本音を引き出した。間に入って二人を仲直りさせる後押しをしたのは紛れもなく寧々子。こういう、ちゃんと先生してるなってところが良いんだ…

 ラグちゃんは学校に給食が欲しかったらしい。制服で学校に行きたかったシロと同じく、学校に対するこだわり。それが許可されなかったのは、確かにちょっと残念。給食も学校の醍醐味感あるけど、この島の環境的には厳しいか。

 シロがスコちゃんに料理を教わったという辺りは、第5話の続きになっていて良い。まだまだ修行の必要がありそうだけど…!


第12話 全力体力測定

 生徒が6人にまで増えた! 教室はかなり騒がしく、「みんな静かにして」と一喝するシロが委員長じみてて良かった。しっかり者で頼りになる、まじめな生徒。一方でクロやミケは手のかかる生徒。まだまだ人間の学校的には人数が少ないほうだけど、すごく学校らしくなってきたのが面白い。

 運動能力はクロが飛びぬけて高いらしい。食べ物のためなら頑張れるラグちゃん、ちょっと残念なシロ。それぞれの個性が見えてきて楽しい。シロとクロはできることできないことが割と正反対なのが面白いところ。もうちょっと人数がいたら、チームに分かれてドッジボール対決とか? するのも面白そう。


第13話 タイムリミット

 ルシャちゃん初登場回。といっても、ルシャちゃんの存在自体は結構前からほのめかされていた。第2話でシロが言っていた自分以外に字が読める子が一人いるという話、第5話でスコちゃんが言っていた料理を教えてもらっている相手、第6話でたい焼きの作り方は物知りの子に聞けばわかると言っていたのとか、たぶん全部ルシャちゃんのこと。この第13話でルシャちゃんが普段図書館にいるということを教えてくれたのもスコちゃんだし、スコちゃんとルシャちゃんはどうも仲が良いらしい。場所を教えてくれただけで、スコちゃん付いてきてくれなかったのが少し残念だった。

 ルシャちゃんは賢い子。賢すぎて、もう学校での勉強も必要ないくらい。でも登校してくれないと寧々子がクビになってしまうので困る。絶対学校に来るんだぞ、見学でもなんでもいいから…! ルシャは図書館によくいるらしいけど、たぶん自宅は別にあるんだろう、その辺りもいつか出てきたら嬉しいなと。


話の構成が良い、ネコじまにゃんだフル

 第1話~第3話まででシロクロを手懐け、第4話で関係が変わったことを示し、第5話以降は「生徒の問題を解決する」「新しい仲間を加えて授業をする」ということが交互に繰り返されるようになってる。学校に来てくれなかった理由はそれぞれあって、1つめの話でそれを解決し、そのあとに新キャラを含めた話を必ず1つ挟む。新キャラを登場させるのに1回間をあける。この構成が分かりやすくて親しみやすい。

 第3話がシロクロにとって寧々子の見方が変わる話で、第4話でそれを受けていることを考えると、第3話以降は全部「仲間が増える」「さらに掘り下げる」の繰り返しにも見える。この構造を分かりやすくするために、今回書いた1巻の感想前・後編ともに各話の役割に応じて見出しを色分けしておいた。見事に黄色と緑の繰り返しになる。


 そんな感じで、第1巻の各話感想は以上! 書きたいことができたらまた何か書く~




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